デモンズ

ソウルを今更プレイしてクリアしました。今更その感想。
・アクション
このゲームの売り。とてもよく出来てる。間合い取りや誘い出し、回避と、相手の性質や地形を考えながら立ち回りを組み立てていくのが、すごく戦ってる感じがする。武器によってリーチと発生、隙がまちまちなので、自分の好きなスタイルを取れるのがいい。狭い路地では槍使ったほうがいいとか、後ろに回ってスタブしたら楽に屠れる敵だとか、広いところまでおびき寄せてタイマンした方がいいとか。あんまり対人戦はやってないが相手の狙いを読んで最善手を打つところは格ゲー的、いや、それよりもっとアナログなところがあって、そこがいいところかな。
ゲームデザイン
カプコンの2Dアクションゲー、それもファミコン時代のロックマン魔界村に近い。あんまり3Dゲーム的なデザインにはなってないかなと思う。不意打ち、初見殺し多数。死んで覚える型のアクション。セーブポイントが実質ないのにステージが長く、特にゲームに慣れるまでは何度も同じ敵と戦うハメになる。それでいてステージのパターンが出来上がってしまうとただそのとおりにこなすだけになる。楽しむにはただクリアするためだけにやるのではなく、遊ぶ方が工夫をする(縛ったり)必要があるかも。周回プレイができるのはやり込みプレイヤーには+。
・ステージ
上でも書いたが長いのにセーブポイントなし。ゲームに慣れるまでが辛い。進む順番が自由に設計してあるが故に、やる順番を後回しにすればするほど、ゲームの終盤に進めば進むほど、プレイヤースキルが上がってるのにも関わらず難易度が簡単になる。正直一本道とは言わないが、ある程度の攻略の流れを作ったほうが良かったかなと思う。マップはゲーム性のみで考えられている。ボーレタリア王城とか、どうしてこんなんなんだよ、城として成り立ってなくねって構造。実際に冒険、探索するRPG的楽しみははっきり言って感じられない。曲がり角を見て、曲がったらどういう光景が待ってるんだろうドキドキではなく、曲がった先に敵待ち構えてないかなビクビクとしか思えないのは、あんまし。実は何度も何度もプレイしていると、そういう部分が最終的に最も大事になってくるところだったりするので、考えて設計して欲しかった。城ならやっぱ理想はICOみたいなのがいいね。
・敵
強い。大体の敵の攻撃が減りすぎる。痛い。後、一対一で戦うとそうでもないのが複数と組み合わさって出てくるだけで難易度が跳ね上がり、地形が絡むと地獄と化したりするのがこのゲームの醍醐味かと。ただ同じ見た目なんだけどヤケに火力が上がってる奴とかいるのはあんまりよろしくないとこ。後配置からろくに動かないのはなー。敵が湧いてマップを巡回してくるようなランダム要素が欲しかった。ボスは、まず行くまでが遠くて嫌、初見殺しが嫌、ハメて楽できるのも嫌って感じ。もう少し調整して、と思うところのひとつです。
・世界観等
フロム脳、といって説明や描写がろくにないのを勝手に脳内補完するって信者がいるそうだけども。詳細、膨大な設定は背後にあれど、それを表に出すのは極僅か―――というより、それっぽいのをただ散りばめているだけっぽい。パロディとかオマージュ多い。塔のラトリア2なんて超魔界村の3面まんまだし、竜の神はバルログだし、嵐の祭祀場の骸骨はすごくゼルダの骸骨っぽい。腐れ谷の最後の赤ん坊はDoD。全体的にデジャヴ。世界観に統一感はないけど、ごっちゃ混ぜカオス感もそんなにもない。もう少し芯が欲しい。
・ストーリー
エピソードはあってもストーリーはなかった。エピソードは燃えるというか、やる気が出るものはあったり、しんみりするものもあったり。

・総評
アクションゲームとしてはとても良く出来てる。3Dだけどデザインは2D的。RPGとしてはもう少しステージに構造物的な魅力や、そのバックボーンを支える芯のある世界観が欲しいと思いました。まあこの適当な感じが癖になる人もいるんだろうけどねー。